昨日に続き、コーチャー編を掲載します.
南生田ウィングスは、ウィングスメソッドによる指導を行います.
が、いろいろな野球理論もありますので、知識として理解することは重要かと思います.
第24章「続・コーチャー」
前章ではコーチャーの基本的な役割を述べた。もし、人数にゆとりがあり、コーチャー2名を固定できるなら10番目、11番目の選手である。野球をよく知っている者がコーチャーを勤めるとよい。それは、前章で述べた高度な判断を下さねばならないためであるが、他にも理由がある。
その第一は、相手投手のくせ(例えば、カーブを投げる時グラブをチラッと見る、とかカーブの時だけ捕手のサインにうなずくとか...色々ある)を見抜いたり、モーションの盗み方を研究するのだ。走者に一番近い位置から、ずーと相手投手の投球フォームを見つづけていられるのはコーチャーだけなのだ。得られた情報をチームメイトに伝えることによって、相手チームの攻略は極めて容易になる。適切な情報は、1本のホームランよりはるかに大きな戦力となる。この役割は3塁コーチャーよりも1塁コーチャーが担うべきである。3塁コーチャーは前章で述べた判断を下さなければならないため、常に相手の守備位置、動きに注意を払わねばならないためである。また、1塁コーチャーは最も1塁走者に近いためでもある。
第二に、走者がきちんとベースを踏んだかどうかを確認しなければならない。ホームランを打った打者が1塁ベースを踏み忘れ、アウトになるというケースもあり得る(実際、昔プロ野球でもそんな事件があった)。長打が出た時、有頂天になり喜んでいるだけではだめだ。もしベースを踏んでいなければ、走者に大声で注意を与えなければならない。
第三に、草野球では捕手のサインがコーチャーボックスから見える場合がある。そんな時はサインを盗み、打者に伝えるべきである(例えば、カーブなら帽子を触るとか、)。尚、コーチャーは常にボールから目を離してはならない。走者が監督のサインを見る時ボールから目が離れる。コーチャーも同時にボールをから目を離すと、「隠し球」を喰らう場合がある。
ギリギリの人数で試合に臨むことの多い草野球では、コーチャーを固定することができない。交代でコーチャーをやらねばならない。長い守備から戻り、一息入れたいのに何で自分がコーチャーに立たねばならないのかと恨んではいけない。少なくとも、ベンチより近い位置で相手投手を研究できるのだ。
ヒットを打ちたければ、コーチャーに立ち、相手投手を研究することである。