16回目の今日は、コーチャー編です.明日と2回にわけて掲載します.
全員で戦うとはこういうことも入るのかな?全力プレーって難しいですね!
第23章
「コーチャー」
読者の方から「コーチャー」について書いてほしいという要望があった。我がチームでは、コーチャーになってもただボーッと突っ立ているだけの者が多い。「コーチャーの役割を述べよ」という問いに対して、「走者にセカンドやショートの動きを伝えたり、進塁かとどまるかを指示する」と答えた人にはとりあえず60点をあげよう。
単に進塁かとどまるかの指示を走者に与えるだけでなく、重要なことはその判断の根拠なのである。打球が外野手の間を抜けた場合は明らかで簡単である。が、ギリギリの場合、判断に迷うような場合に適切な根拠に基づいて論理的な判断を下し、走者に指示しなければならない。まず、試合前のキャッチボールやシートノックから相手の肩、コントロール、中継の上手下手を知っておく。その上で、相手の守備位置、捕球体勢、打球の方向と速度、バンウドの高さ、飛距離、走者の足、さらには、得点差、試合の流れ、次打者が誰か、など多種多様な要因を一瞬のうちに判断して走者に指示しなければならない。 例えば、1点を争う試合で無死または一死で走者が3塁にいる場合、浅い飛球が内野と外野の間に上がったとする。普通はハーフウェイで、捕球されればベースに戻る。しかし、捕球しようとしている内野手の肩がやや弱いことを予め承知していれば、ハーフウェイでなくベースタッチを走者に指示することもあり得る。もし、無理な体勢で捕球したならば、体勢を整えて送球するまでに時間がかかること、肩が弱いこと、ここで1点を入れれば同点に追いつくこと、次打者には余り期待できないこと、代打を出すゆとりもないなどを考慮し、思い切ってホームに突っ込ませることは無謀な作戦ではない。十分な根拠と論理に基づいた作戦で、あとは結果的に失敗しても致し方ないことである。 このように、コーチャーの最も大事な仕事は、試合前から相手の守備力に関する情報を入手し、試合の状況に応じた適切な根拠に基づいた論理的な判断を一瞬のうちに下し、走者に指示することなのである。 つまり、コーチャーの仕事は、
「相手の弱点を見つけ出すこと」の重要性はすでに述べた。逆に我々は相手に弱みを見せてはいけないのである。
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