第69回【再掲+α】 2018年1月24日   チームビルディング

第59回に特別編として、”チームビルディング” を考えてみましたが、毎年この時期考えるチームビルディングを再考してみます.

「仲間が思いを1つにして、共通のGoalにむかえる組織づくり」.

実施項目としては一般的トレーニングは3つです.

○1.体験の共有;コミュニケーション増(目標設定など)

○2.研修;困難な課題に挑戦し、活動行動を振り返ることで改善点をみつけだし、再挑戦することで、信頼関係を強くする(特別な合宿など)

○3.継続性;定期的なチームミーティング

紙に書くのは簡単ですが、実施することは大変です.とくに、継続性は大変です.でも、効果はあるのでしょうね?なかなか測定できない?(してない?)ものでもあるし、振り返ってみればよくなったんじゃない?ってな感じが多いですね.

学生野球では、毎年選手がかわるので、特に重要な項目ですね.

さあ、ことしはどんなチームになるのか楽しみですね!

第68回 1月12日 なげない敬遠

HPニュースに掲載されましたが、監督の深刻で、故意四球が成立する(とりあえず、プロ・社会人・大学).

時間短縮の目的としていた大リーグでは、1試合0.4回しかなく、貢献度合いは低いと評価されている. 故意四球での暴投、キャッチャーが立って故意四球を受けるときに両足がキャッチャーボックスに入っていないとボーク(実際には多くのボークがみのがされている)とかがなくなり、ドラマが減ることは残念.

ルールは毎年かわります.それに対応していくことで戦術も変化していくことも楽しみの一つと前向きに捕らえていく考えもありますね!

第67回 9月22日 「甲子園進化論」

女子の力、世の流れによって、男子のみに与えられていた高校野球甲子園!

きっと、5年後くらいには、そんな時代があったなっていうくらい変わっているかもしれません.

2016年に高校女子マネージャが甲子園練習でグランドに入り、高野連がストップをかけましたが、すぐに規定が変更されてます.高野連も早い対応でしたね.

少年野球も、もっともっと女子が増える時代がきます!

第66回 8月27日 「フライボール革命」

「とにかくフライを打つことがテーマ」とかたるのはソフトバンクのぎーた!

今現在、メジャーではフライ重視の考え方が浸透し始めており、「フライボール革命」とよばれている.

いろいろなデーターから分析し、町田の可能性があるフライを打ったほうが塁打数がふえるらしい.これには、相手打者の打球傾向が詳細に研究されており、ゴロよりフライのほうがよいというもの.また、人工芝などではイレギュラーもなく、ハプニングが於きにくいことも影響している.

”外野オーバー” ”太陽に向かって打て” なんていう指導をすることが少年野球でもいいのかもしれない.

第65回 8月2日 体温調節 汗

夏の野球はしんどいですね.久しぶりの野球理論は、すこし趣向を変えてみました.

われわれ人間は”恒温動物”.中学でならいましたね.

体温は37度で維持されるような機能がそなわっています.いろんな臓器がありますが、基本37度が臓器にとって活動しやすいということです.(例外はありますが...)

37度以下になれば末梢血管収縮やふるえ(無意識)、服をきたり運動したり(意識的)し、熱を生む.37度以上になれば末梢血管拡張や発汗(無意識)、服をぬいだりあおいだり(意識的)し、熱を放散します.

汗は水とナトリウムなどの電解質からなり汗腺から分泌され、皮膚から蒸発するときの気化熱で体温を下げようとします.

適切な体温に維持することが、野球でも必要であり、体温管理は夏場の野球にとっては重要なチェック項目になります.

※次回は、発汗をうまくするための最近の医学的見地を掲載予定

第64回 4月19日 野球上達法!

やっぱこれでしょう!

やきゅう遊びを通じて、いろいろ成長しますね.

第63回 早寝早起き

土曜の朝一、野球の試合で動きが悪いこと、とっても多いですよね!

寝ぼけた状態、アップもそこそこであれば当然でしょう.

”明日は大事な試合だから、今夜、はやくねよう” といってもなかなか寝られません.

少なくても2日前、できれば3日前から早く寝ると、リズムができるそうです.

「寝る子は育つ」とよく言われますね.

脳と体の成長が促されるのです.成長ホルモンの分泌によって

①脳は海馬が睡眠中に活性化して、収集した情報を再生することで知識にしている

②骨・筋肉そして免疫も、ホルモンの影響で強くなる

その成長ホルモンをたくさん分泌させるためには、”質のよい睡眠”が必要です.

6歳から13歳であれば、9時間-11時間が必要となります.

 

第62回【特別編】紅白戦

同じチームのメンバーで2チームにわけての紅白戦!

実践の経験値があがることや、特別ルールで弱点補強したりと、対外試合では実施しにくいこともできる、すばらしい練習方法.

少年野球では、昨今、同レベル同学年の人数がすくなく、なかなか厳しい練習方法です.でも、2-3学年ならなんとかなるのではないかとおもいます.

カウント1-1からのスタートとか、ランナー1塁からのスタートは一般的.

ランナー1塁からのバントのみ(打ったらダメ)もおもしろいかもしれない.外野もしっかり置き、フォーメーションの練習にもなる.意外と点も入る気がする.盗塁もありだし、いろんなことがおきそうですね.スクイズがきめてになるのかな?

第61回 【特別編】 2/3 キャンプ

プロ野球は2月1日より、各球団、キャンプインしました.

開幕に向けての激しい競争が始まっています.監督コーチは戦略と戦力のマッチングをすることがメインなのかもしれませんが、結構、成長するらしいです.

基礎的な練習(Wingsでもやっていますが)もプロになってもやるんですね.

少年野球も1ヶ月くらいキャンプできたらいいですね!

ぎのわん!

こんなキャンプすてき!

でも、できることをやるしかないですね!

第60回 2/1 打順

打順もいろいろな考え方がありますね.選手によってまちまち.

さあ、今年はどんな打順がよいのかなあ?

第55章
「打 順」


 野球には「セオリー」というものがあり、打順を決める場合もこのセオリーに従って決める。1、2番は出塁率が高く、足が速く、バントやヒットエンドランを決められる小細工のできる打者。クリーンアップは長打力があり、走者を置いての打撃に信頼が置ける打者ということになっている。これは、1番打者が出塁し、2番がバントで送り、3、4番打者の安打で走者を迎え入れるという戦略に基づいた打順である。この考え方は、初回の攻撃で先制得点を挙げることが極めて重要であるという思想に立脚している。私も、基本的にはこの考え方に賛成である。

 だが、初回に得点できなかったら、あるいは1番以外の打順からスタートするイニングではこの戦略は成り立たない。4番、あるいは5番打者が出塁しても打順が下位に下がり、多くを期待できない。したがって、セオリー通りの打順を組むことが万能なのではない。
 セオリーはセオリーとして尊重し、チームの状況、相手チームの投手力などに応じて弾力的に戦略を構築すべきである。
 初回、あるいは1、2番からスタートするイニングに得点を期待する戦略ならばセオリー通りの打順が適している。二死で9番が出塁した場合、失敗してもともとの盗塁をさせる作戦もありえる。失敗しても、次回1番から始まるからだ。
 チームで最も長打力がある選手を1番に置く戦略もあり得る。いきなり二塁、あるいは三塁まで進塁すれば、あとは犠打や相手失策で得点できる確率が高まる。その場合、3番、4番は犠打の上手な選手を置く。チームのこれまでの得点経過を分析し、7番、8番あたりにチャンスがめぐる確率が高ければ、最も信頼の置ける選手を下位に置く戦略でもよい。出塁して送り、また出塁して犠打で得点するという戦略ならば、打てる選手と打てない選手を交互に並べる考え方があってもよい。

 草野球では、チーム内の打てる選手と打てない選手の差はさほど大きくないことが多い。そんな場合、誰が4番でも状況は変わらない。であるならば、セオリー以外の考え方で打順を組むことがあってもよい。
 昔、学生時代、ある中学でコーチをしていたことがある。皆どんぐりの背比べで、小粒な選手ばかりだった。当然、4番が打てる生徒はいない。そこで、それまで試合に殆ど出場したことのない選手を、教育の意味で4番に据えたことがある。3番、5番で得点すればよいという考え方からであった。相手投手は、4番というだけでプレッシャーを感じ、四球出塁が多くなった。そればかりでなく、何試合かするうちに、その生徒は少しずつ打てるようになり、最後の方では立派な4番打者に育っていた。すなわち、立場が人を育てたのである。

第59回【特別編】 1/27   チームビルディング

今回は、特別編として、”チームビルディング” を考えてみました.

チームビルディングとは

「仲間が思いを1つにして、共通のGoalにむかえる組織づくり」.

実施項目としては一般的トレーニングは3つです.

○1.体験の共有;コミュニケーション増

○2.研修合宿;困難な課題に挑戦し、活動行動を振り返ることで改善点をみつけだし、再挑戦することで、信頼関係をよくする

○3.継続性;定期的なチームミーティング

紙に書くのは簡単ですが、実施することは大変です.とくに、継続性は大変です.でも、効果はあるのでしょうね?なかなか測定できない?(してない?)ものでもあるし、振り返ってみればよくなったんじゃない?ってな感じが多いですね.

学生野球では、毎年選手がかわるので、特に重要な項目ですね.

これってスポーツ教室でやってみたらどうかな?3年後4年後に効いてくるかもしれないですね.校長に提案してみよっ.

第58回 1/13   バッティングマシーン

バッティングマシーンの使い方もいろいろですね.

 

第76章
「バッティング練習」


 野球の練習で最も楽しいのがバッティング練習で、つらいのが守備や走塁の練習であろう。だからどのチームもバッティング練習に時間をかける。しかし、バッティング練習はやり方次第で実効があがったり、無駄だったりする。

 バッティング練習には、マシーンを使った練習と投手の投げる球を打つ練習の二通りがある。マシーン練習では同じスピードで同じコースに球が来るから、自分の打撃フォームを矯正したり、タイミングを取る練習には好都合である。バッティングセンターに行けば、一人でも練習できる。したがって、オフシーズンや春先などの練習に向いている。バント練習、流し打ちの練習、ゴロを打つ練習にもマシーンは有効である。人数にゆとりがあり、場所さえあれば、バッティング練習の横で、マシーンを使ったバント練習をするのもよい。

 しかし、シーズン中は実際に投手が投げる球を打たないと、実戦では役に立たない。スピードもコースも一球毎に違う球に対して、瞬時にタイミングとミートポイントを変えなければならないからだ。いい当たりが打てないのは、このタイミングとポイントの捕らえ方が合っていないためだ。だから、打席ではこの2点を中心に打つように心掛ける。

 自分が打っていない時は絶好の守備練習である。ノックと違い、生きた打球を処理できる。それも、ただ捕球して、返球しているだけではだめだ。ゲッツーの練習や外野からの中継を必ず入れるようにする。内野ゴロの場合には必ずゲッツー処理をし、外野への打球はバックホームする。間を抜かれたら懸命に追いかけ、内野の中継を経てバックホームする。
 もし、人数にゆとりがあるなら、走者を付けるのもよい。走者を付けてゲッツーやバックホームの練習をすれば臨場感にあふれ、尚一層効果が上がる。このようなバッティング練習をすれば、ダラダラ時間をかけなくても効率的な練習ができる。

 ところが、現実には参加人数が7〜8名で、このような練習をしようにもできないことが多い。結局、バッティング練習の時に守備についても自分のポジション以外で球拾い的な守備に終わってしまう。だから、別にたっぷり時間をとって守備練習をする必要が生じる。
 練習でただ漫然と打つだけならやらない方がいい。いい当たりを連発すれば気持ちがいいし、試合でも打てそうな気分になる。しかし、試合で打つ球はバッティング練習のそれとは違う。練習で打てたからといって、大振りしたのでは相手バッテリーの術中にはまってしまう。

 考えながら、あるいは工夫をしながら練習した成果が試合で徐々に現れるのだ。

第57回 1/9  特別号

特別号 「継続は力なり」

成功するための格言としてよくつかわれますね!

いまの冬の時期はしっかりやりますが、野球シーズンになるとおろそかにされてしまうことも多々あるのが、柔軟ストレッチ!

とあるコーチから聞いたのですが、毎日実施する.1日あいても2日目に2倍おこなえば補えるが、2日あいてしまうとせっかく成長してきたのが元に戻るという理論のようです.むやみやたらとやっても成長できないようで、正しい方法を継続することがひつようだそうです.

(いま、”正しい方法正しい継続” を調査検討中)

土日だけやってても、まったく意味がないってことですね! 

南生田ウィングス メソッド運営会議より

第56回 1/6

第44章
「プレッシャーを楽しむ」


  

 草野球でも相当のプレッシャーを感じることがある。強豪チームと対戦し、相手を抑えてくれるはずだというチームメイトからの期待を一身に受けたエース、1点も与えてはならない状況で、何とか抑えてくれるはずだという期待を受けてリリーフに出た投手、一打逆転の場面で、何とかしてくれるはずだという期待を背負って打席に入る4番打者など、監督やチームメイトからの期待が大きいだけにそれがプレッシャーになる。だが、そうした期待に応えてくれるのがエースであり、4番打者なのだ。

 期待に応えるためには、プレッシャーを克服しなければならない。色々なプレッシャー対処方法があるだろう。だが、「プレッシャーを楽しむ」という克服法は始めて知った。どういうことなのかもう少し詳しく聞いてみたいが、恐らくはこう推察する─

 —自分は金メダルを取りたい。どうせ金メダルを目指すなら、皆に注目され、期待される中で目指した方が、やり甲斐があるし、カッコいいではないか—

 もし、この推察が当たっているなら、我々も大いにプレッシャーを楽しもうではないか。
 ここ一番で一本ヒットを打ちたい。なら、プレッシャーの中で打つ方が、プレッシャーのない中で打つよりやり甲斐がある。よし、プレッシャー熱烈歓迎だ。
 今日は是が非でも無失点に抑えたい。けど、なかなかの強敵だ。強敵だからこそ無失点に抑える価値がある。このプレッシャーがたまらない・・・

 ・・といったように、プレッシャーを楽しみ、味方にすれば自分の力を十分発揮できる。エースや4番打者は勿論、そうでない人もプレッシャーを楽しめばよい。チャンスで打順が回ってきたら、周りは頼む、ヒットを打ってくれ、次打者につなげてくれと期待する。このプレッシャーを楽しむのだ。実際、プレッシャーの中で周囲の期待に応えることが出来た喜びは、言葉では言い尽くせないほどの快感だ。こんな時こそ、野球をやっていて本当に良かった、面白いと感じる。こんな快感が度重なると、野球の面白さにどっぷり漬かり、この快感を味わいたいがために、練習を積むようになる。

    「プレッシャーを楽しむ。」


第55回 1/3

第18章
「スコアブック」


 我がチームでスコアブックをきちんとつけられる者は少ない。て、ユーか、スコアブックを正しく書けるようになろうと志す者が少ないのだ
 野球をやっていてスコアブックも満足につけられないのは、麻雀やっていて点数が数えられないのと同じ位、車を運転するくせにさっぱり方向音痴が直らないと同じ位、女の子にラブレター出したのに、誤字脱字だらけだったと同じ位情けないことなのだ。

 スコアブックをつけていると色々なことが分かる。相手投手の投球パターン(まず変化球から入る、強打者にはボールから入る、カーブは2ストライク後でないと投げない等々)、打者のくせ(初球はかならず見逃す奴、直球しか打たない/打てない奴など)、相手の攻撃のパターン(盗塁は2球目に多いとか、バントは初球からやってくるとか)も分かってくる。色々分かってくれば、それを応用しようと思う。これが技術の向上につながり、所謂「野球を知っている奴」になれる。

 スコアブックがつけられるようになれば、スコアブックが「読める」ようになる。すると、記憶が薄れた昔の試合もフォローできる。思い出として、反省として、作戦立案として役立てることができる。
 ギリギリの人数で試合をすると、スコアブックの記録がいい加減で、後でフォローすることができない。だから、自チームの投手の自責点すらキチンと求められないのだ。犠打だったのか、ピッチャーゴロだったのか分からない。フィルダースチョイスが安打として記録されていることすらある。

 高校野球の甲子園大会、1試合位はスコアブックをつけながらじっくり観戦してみてはどうだろうか。スコアブックの書き方をマスターできるばかりでなく、必ずや一つの試合から多くのことに気付くはずである。スコアブックをつけてみて本当によかったと思うはずである。

 スコアブックはベンチの仕事、ヒットの数さえ分かればそれでいいと思っている者が大半であろう。が、大きな心得違いじゃ!!!

第54回 1/2

第50章
「女子選手」


一部の高校では女子選手が男子に混ざって練習していると聞く。練習試合には出場可能だろうが、高野連は認めていないので、公式試合には出場できないし、メンバー登録もできない。

 女子を認められない理由があるだろうか。男子でも体力のない選手は大勢いる。女子でも中学や高校で運動部に属していた人達はそれなりの体力を持っている。男子でも160cm そこそこの選手がいる一方、女子でも170cm を越える選手は珍しくない。特にソフトボールの経験者であれば基礎技術を持っているので、あとは練習を積んで球の速さや打球の伸び方、変化球などに慣れるだけだ。何年か前、明治大学野球部に米国の女子選手が入部したことが話題になった。男子選手と同じ練習メニューをこなしたという。やってできないことはないのだ。

 野球グランドの横にあるテニスコートでは、男性と女性が一緒にプレイをしている。これを横目でうらやましそうに眺めるのは私一人ではなかろう。女子選手がいれば若い男子選手ががんばるし、若い男子選手が増えれば女子選手も増える。そうすれば、草野球はもっと面白く、かつ楽しいものになるだろう。

 高校野球には伝統の重みに加え、どこか暗く、悲壮なイメージがつきまとっている。しかし、女子選手が認められれば、明るさ、華やかさが加わり、高校野球が一層活性化される。

その中で優秀な選手がプロ野球に入り、そこそこ活躍するようになれば、尚一層人気も高まる。女子のプロ野球チームができたし、近々、女子の甲子園大会もできるかもしれない.

高野連もきっとかわっていくだろう!
 

第53回(12/31)

第99章
「練習不足」


 練習とはどんな場合でもスムースに実行できるまで体で覚え込むことであると述べた。例えば、中継プレーやカバー。状況の如何を問わず内野手は最適の中継位置にすばやく入り、外野手はそこまで低い弾道の送球をする。それができるようになるまで練習を積み重ねて体で覚え込まねばならない。一旦体で覚えたものは、何年か時を経ても忘れない。もはや機敏には動けないかもしれないが、それでも体は反応する。

 一方、練習していないとすぐに衰えてしまうのが、いわゆる「勘」とかタイミングである。バッティングの際に球をとらえるタイミングとか、ゴロに対する捕球のタイミング、ショートバウンドに対するグラブの出し方、飛球に対する落下地点の見極めなどは一種の勘に属するものである。伸びる打球かドライブがかかる打球かの判断はヤマ勘以外の何物でもない。外野手は打球が上に上がってから走りだしたのでは遅いのだ。打った瞬間に打球の上がる角度や速度で落下地点を予測し、一目散に走っていかねばならない。また、軟式ではバウンドが高いので突っ込みすぎるとバウンドした球が頭を越える場合もある。

 内野手の捕球は一種のリズム感と似ている。バウンドに体の動きを合わせ、最適のタイミングで捕球するのは勘である。体のすぐ横に飛んできた鋭い打球に対し、足を動かす間もない場合、グラブだけ出して捕球せざるをえないこともある。練習では「コラーッ、足を動かせ!」と怒られるが、試合では捕球すればナイスプレーなのだ。こうした打球に対してどうグラブを出すかもヤマ勘以外の何物でもない。

 こうした勘は練習していないとすぐに衰えてしまう。一週間や二週間程度練習していなくてもそれほどは目立たない。しかし、怪我や病気は勿論、家庭や個人的な事情、仕事の関係などで一ヵ月も二ヵ月も練習できない場合がある。久しぶりに練習に参加すると、肩も軽いし、腰の痛みもない。ヨッシャといい気分で始めたらどうも球がしっくり手につかないといった経験をした方も多いであろう。これが練習ならよい。いきなり試合に臨んで今まで打てていた球が打てない、捕れる球が捕れないといった経験をする。思わぬ失策をやってしまったり、バウンドを合わせ損ねることになる。

 勘を養うには不断の練習を続ける以外に手はない。一週間に一回程度の練習や試合では勘は養えない。自分が身につけている勘を維持するのが関の山である。久しぶりに試合に参加して打てなかった人、失策をした人、球がしっくりこなかった人は練習不足が原因だと心得てほしい。上手な人は体で覚え込んでいる部分が多いし、それまでに養ってきた勘のレベルも高い。体で覚えたものはたやすくは忘れない。しかし、どんなに上手な人でも勘は衰える。プロ野球の選手でも引退すればちょっと上手なだけの人に戻る。

 寒かったり、暑かったりすれば誰でも練習したくなくなる。しかし、最低限キャッチボールとトスバッティング程度は続けていないと勘が鈍る。

第52回 あと48回です.

第34章
「人集め」


 草野球でいつも苦労することは人集めである。下手でも人数がそろってこそ試合が出来る。練習が出来る。しかし、現実的には登録選手こそ20名もいるのに、試合の時に集まるのは7〜8名。主将やマネジャーが懸命に声を掛けてようやく9名を揃えて試合を行なう。これの繰り返しで1年が終わる。これは恥ずかしながら我がチームの抱えている問題であるが、他のチームでも9名ギリギリで試合に臨むチームが多い実態をみると、事情は似たりよったりと思う。

 少年野球でも少子化の波か、チームの存続があやぶまれるチームがあとをたたない.サッカーにとられたとか良く聞く話だが、統計をとるとそうではないらしい.スポーツをやらないこどもが増えているだけなのだ.幼少期にスポーツをやっていると生涯スポーツといって大人になってもスポーツにかかわる人になるようである.文部科学省の推進する方向でもある.

野球だけでなく、いろいろなスポーツを経験することはよいことである.そとで遊べばよいのである.

”ぷれーぼーる!” = ボールで遊べ! 

 

 

第51回(ひさしぶりの更新です)※やりとげます.

※しばらく、ばたばたで更新できていませんでしたが、やっぱりやりぬくやるとげることにします.

第6章
「冬季練習の重要性」


 

 冬は欠点克服の時期である。肩に故障のある者は直す、肩の弱い者は強くする、球を怖がる者は怖くなくなるようにトレーニングする、スタミナのない者は走り込む、バントのヘタな者はできるようにする、バッティングフォームを直す、投球フォームを直す、打球に対する感を養う・・・etc。

 やるべきことは山のようにある。シーズン中にできないことを冬にやり、オープン戦でそれを検証し、自信をつかみ、実戦の感を養い、そしてシーズンを迎える。

 冬寒いのは当たり前だ。だから体を動かし、鍛えるチャンスなのだ。実質30分間の練習では目に見えるような進歩はないかもしれない。しかし、毎日の積み重ねこそがモノをいう。

 来季、好成績を挙げたいと思う者は、冬季練習がとても大切である。特にチームの要となっている主力選手は、後輩たちに手本を示す必要があるのではないだろうか。

    冬こそ命!!

第50回の今日は

第54章
「冷静な気持ち」


 野球に限らず、スポーツをすれば誰でも気持ちが昂り、積極的にプレーしようと思う。気持ちが昂り、一種の興奮状態に入ることで、平常とは違う力が出せる。しかし、興奮しすぎるとマイナスの結果をもたらす。昂った気持ちに不安が混じると、頭の中が真っ白になり、手足が震え、いわゆる「あがった」状態になる。普段殆ど試合に出ない選手が、始めて打席に立つと足が震え、全身ガチガチに固まってしまい、バットがまともに振れない。興奮+不安であがってしまった結果である。こうゆう状態は心配しなくてもよい。慣れてくればあがることもなくなる。

 問題なのは興奮に怒りが混ざったときだ。打席に立って顔面めがけてボールを投げられる、相手に汚いヤジを浴びせられるなどですぐカッカする選手がいる。こうなると肩に力が入ったり、サインを見落としたり、ボール球に手を出したり、あるいは相手投手の配球が読めなくなり、いい結果は期待できない。打者の場合は、その打者一人がいい結果を出せないだけであるが、投手がカッカすると問題は深刻になる。勝負球を打たれてしまう、クリーンヒットなら諦めがつくのに当たりそこねの内野安打やポテンヒットが続いたり、打ち取ったはずが味方の失策で出塁したりするとすぐカッカする投手がいる。大リーグに移籍した某投手などはその典型的な例である。せっかくの速球を持ちながら、冷静さを失い、単調なピッチングになってしまうため、ますます打ち込まれてしまう。

 投手が冷静さを失うとどうゆうことになるか。冷静さを失うと過去の、すなわち起こってしまった出来事(失策、ポテンヒットなど)に気持ちの一部を奪われ、次のプレーに気持ちを集中出来なくなる。その結果、大事なカバリングを怠ったり、一瞬出遅れて傷口を広げてしまう。次の打者に対する投球の組み立てに集中できないため、ピッチングが単調になったり、制球を失う。

 野球選手は気持ちを昂らせることは必要であるが、常に冷静でなければならない。特に、バッテリーはどんな時でも冷静さを失わず、次打者に集中しなければならない。もともと気持ちをハイに維持しつつも、平常心を失わない性格の人は投手に向いている。そうでない人は、気持ちをすぐ次のプレーに集中できるように日頃から心掛けておく必要がある。仕事をしていてもカッカすることはよくある。だが、カッカしても状況が好転することは決してない。であるなら、冷静に次のことを考えたほうが得である。それと全く同じことである。

 カッカしたら、自分で危険信号と認識し、次に気持ちを集中すること。

○第49回の今日は

第48章
「審 判」


 連盟戦では公式審判員が球審として付いてくれるが、練習試合では自分たちで審判をしなければならない。選手の他にたまたま審判をやってくれる人がいればいいが、そうでない場合には試合に出ていない人の中で野球をよく知っている人が務めたり、攻撃側が交代で審判をやる場合も多い。そんな場合、すすんで審判をする人は何人いるだろうか。

 審判をいやがる大きな理由は、自信がないためだ。特に、ストライク、ボールの判断はミスすると味方からも相手からもブーイングされる。だが、あまり気にする必要はない。一般的には本人が気にするほどはとんでもない間違いはやらないものだ。大きな声で、自信を持って大きなジェスチャーで判定すればよい。経験を積むうちに上手になっていく。

 練習試合で審判、特に球審を務めることは非常に役に立つ。まず、分かっているようで身についていないルールに強くなる。インプレーとボールデッドの区別、振り逃げやインフィールドフライの成立、ボークや守備妨害など頭では分かっているものの、慣れないとすぐ宣告できない。ということは、実際に自分がプレーしていても、とっさの判断ができていないことに他ならない。

 第二には、各打者の長所・短所、あるいは球筋や配球がよく分かる。初球の絶好球を見逃して二球目のボール球に手を出すくせがある者、バットが下から出ている者、腰が据わって体の軸がぶれないいい打ち方をしている者などよく分かる。いい打ち方は真似をし、悪い打ち方は反面教師として反省する。外角にはいい球がくるのに、内角には甘く入る傾向にある投手、セットポジションになるととたんに球威が落ちる投手、インハイへの直球の後は必ずスライダーを投げる投球パターンなど球審をやればよく分かる。攻撃側で球審を交代して出している場合には、当然味方の攻撃時には相手投手の球筋や配球を読んだ打ち方ができる。

 第三には、審判も人間であるということがよくわかる。公平に判定を下しているものの、気持ちのいいチームと不愉快なチームがあり、それが微妙な判定に影響する場合もある。ファールボールをなかなか取りに行かないチーム、汚いヤジを飛ばすチーム、攻守交代の際ダラダラしているチーム、一方でキビキビプレーするチーム、局面に応じた攻撃や守備をしているチームがあれば、気持ちのいいチームに好感を持つ。審判も人の子。審判に好感を持ってもらうプレーや態度を心掛けるべきである。

 審判は積極的にやるべきである。相手の技を盗み、自分が、そしてチームが上達するために極めて有効である。

○第48回の今日は

第57章
「走者3塁の攻撃」


 走者が3塁まで進塁した場合、攻撃側は何とかして得点したいと考え、守備側は何としても守りきりたいと考える。攻守双方にとってテンションが上がる場面である。この場面をうまく得点した方が、あるいは守りきったほうが勝利を手に入れることができる。得点差、イニングによって攻撃や守備の作戦は異なるが、ここでは無死、あるいは一死で1点を争う緊迫したケースについて考察してみる。

 守備側は当然バックホーム態勢だ。内野手は前進守備だし、外野手も定位置よりは前に守り、外野フライのバックホーム、ポテンヒットの防止に努める。攻撃側がヒットや失策以外で得点できるとすれば、定位置より後ろの外野フライ、投手後方への内野ゴロ、スクイズの3通りある。

 外野フライを狙うのならば、高めの球を打つ。強振するより脇を閉め、バットのヘッドを遅らせる。これは、引っかけて凡ゴロになることを防ぐためだ。しかし、高めの球に振り遅れれば、内野フライ、あるいは浅い外野フライとなってしまい、犠飛にはならない。草野球では成功の確率は低い。

 内野ゴロを狙うなら腰より低めを打つ。この際も、脇を閉め、ヘッドを遅らせ投手の足元を狙って打つ。内角でもヘッドを遅らせれば投手足元に打つことが可能である。野手正面の平凡なゴロではホームインは難しい。投手後方のゴロは遊撃手、二塁手のどちらが捕球しても送球が遅れるため得点しやすい。内野ゴロの利点は、強いゴロが飛べば前進守備をしているだけにヒットになりやすいことだ。強いゴロを心掛けるべきだ。

 スクイズは勇気がいる作戦である。打者あるいは走者がサインを見落とすかもしれない;空振りして3塁走者が憤死するかもしれない;小飛球でゲッツーになるかもしれない;はずされてしまうかもしれない。だから、信頼の置ける打者にしかサインを出せない。だが、信頼の置ける打者ならば、最も確実に得点できる。はずされても、飛びついてバットに当てることが必要だ。勿論、ボックスから足が出れば反則打法となり打者はアウトになる。しかし、走者は3塁に生き延びる。

 どの作戦を選択するかは勿論一概には決められない。が、ベンチとしては失敗しても後悔しない作戦を決心すべきだ。やはり、ああすべきだったと悔やむとチーム全体が意気消沈してしまう。失敗しても、相手チームに驚異となるような、言い換えればプレッシャーとなるような作戦を実施する。次のチャンスに生きてくる。

 

 

○第47回の今日は グランドコンディション①

○第46回の今日はすくいーず


22章
「スクイズ」


 前章で述べた投手交代と同じくらい難しいのがスクイズである。スクイズはどうしても1点欲しい場合に用いる戦法である。どうしても1点欲しい場面とは、先制得点、同点、勝ち越し、だめ押し、局面を変えたい場合などである。しかし、失敗の危険も高い作戦である。打者・走者のどちらかがサインを見落とす危険、相手バッテリーに外される危険、打球が小飛球となりゲッツーとなる危険、打者が空振りして3塁走者が刺される危険があるためだ。
 一方、スクイズをしないでそのまま打たせる場合、安打を打つ可能性(相手は前進守備をしているため、内野の間を抜く確率は高くなる)、外野手の定位置より後ろに飛球を打つ可能性高いバウンドの内野ゴロを打つ可能性を期待する。

 ところが、甲子園に出てくる高校の監督でも、3番・4番打者にはスクイズさせない、とか下位打者だからスクイズさせるという監督がいる。そうではなくて、スクイズした場合の危険性とそのまま打たせた場合の可能性を、我がチームの力、相手投手の力、試合全体の流れなどを勘案して判断し、作戦を決めるべきである。3番・4番打者といっても、相手投手との相性、その日の調子によってはスクイズの方が可能性が高い場合もあるし、下位打者といっても打たせた方が可能性が高い場合もあり、一概には決められない。

 前章で、監督はまず選手を信頼することだと述べた。4番打者にスクイズを命じたから、4番打者を信頼していないということではない。4番打者だからこそ、相手もスクイズを警戒していない可能性がある。ここでどうしても1点取りたい。そのために最も確率の高い戦法にこの4番打者は必ず応えてくれるという信頼がなければ、スクイズのサインは出せない。

 監督は困難な局面の中で、どうすれば打開できるかを考え、実行しなければならない。3番・4番打者にはスクイズさせないとか、エースに全てを託すなど、最初から決めつけた作戦は、困難な局面を打開するために様々な工夫を凝らすというマネジャーの取るべき作戦ではない

 前章および本章では、甲子園大会を見て感じた監督への問題提起をした。「Manage to do」という英語は、困難な局面を打開するという意味である。したがって、困難な局面を打開できない者、打開のための工夫を凝らさない者は監督(=マネジャー)ではない

○第45回の今日は気持ちの持ち方

 

第8章
「形勢不利な時の戦い方 1」
〜 気持ちの持ち方 〜


 例えば、初回、四死球と失策がらみで1点先取され、2回にも連打と犠打で2点を取られたとしよう。相手投手は速球をビシビシ投げ込み、我々は三振、凡打を繰り返し、四球の走者が一人しか出ていないのに、早くも中盤に差し掛かったとしよう。昨年の試合では、こんなケースはよくあった。

「何とかして打ちたいけど、打てそうにないなー」
「これ以上点をやってはヤバイから、しっかり守らんといかん」
「あの四番、バカ当たりしてるから何とかしてタイミングはずさんといかん。そうするべぇー」

・・・つまり、気持ちが負けているのである。気持ちが負けていては絶対に勝てない。

 

戦いは戦力、作戦、そして時の運の関数である。

 戦力はほぼ固定されており定数、作戦も走者が出なければ立てようもない。したがって残る変数は運であり、運を我がものにするしかない。そのためには気持ちが負けていてはダメなのだ。

 気持ちで相手に勝つにはどうしたらよいか。相手の弱点を見抜くことである。皆で必死になって弱点を探す。例えば、速球はすごいがコントロールがいまいち、変化球はたいしたことない、あるいは1〜6番までは要注意だが7〜9番はたいしたことない、内外野とも守りはいいけどセカンドだけはヘタだ、等々。探せば一つぐらい弱点が見つかるものだ。弱点が見つかれば、そこを攻める方法を考える。自然に元気が出る。声も出る。攻守のメリハリも出てくる。気持ちが楽になる。その結果、運を呼び込むことができ、流れを我々に有利な方に向けることができる。

 

気持ちで負けるな! 弱点を探せ!

○夏休み明けの再来週から、再開予定です。

 

 ○第44回の今日は、力と技

 

第38章
「力と技」


 西武の渡辺(久)投手がヤクルトに移籍することになった。渡辺投手は頑なまでに直球勝負にこだわり、そのための努力を積み重ねてきた。しかし、昨シーズンは勝ち星に恵まれず、直球の威力に陰りが見えてきた。ヤクルトではどのようなピッチングを見せてくれるか楽しみである。

 若いうちは基礎体力がある。したがって、基礎体力をベースにした力のプレーを目指すべきである。投手なら直球の球速を高める努力を、打者ならバットを鋭く、力強く振ることを心掛ける。しかし、ただ力任せに投げる、打つということではない。若い人のプレーを見ていると、その力が投球や打球に伝わっていない場合が多い。

 これは第一に、正しい投げ方や打ち方をしていないためだ。このことについては既に色々書いているので読み返していただきたい。 (第3章, 第20章, 第28章
 第二には、無駄な力が入り、逆にパワーを阻害しているためだ。例えばバットを構えた時、バットを振りはじめる時(テイクバック)などで肩に無駄な力が入り、バットの始動を遅らせてしまったり、頭が動いてミートポイントがずれてしまう。ど真ん中の球がきて、「いい球だ。ヨーシ、ホームランだ」と思って力一杯振ったのに、ボテボテの内野ゴロに終わってしまうのは典型的な例だ。

 よく「八分の力で打て/投げろ」と言われる。これは本当にパワーを集中すべきインパクトの瞬間における力を8割に減じるという意味ではない。8割の力で打ったり、投げたりするように心掛けることによって無駄な力を省き、インパクトの瞬間に100%の力を集中させるという意味だ。

 パワー溢れるプレーをすることは楽しいし、何といっても野球の醍醐味でもある。しかし、30歳を過ぎる頃から今までとは様子が異なってくる。打てる球が打てなくなり、捕れる球が捕れなくなり、打ち取れるはずの球が打ち込まれるようになる。基礎体力の低下に伴って力も低下するためだ。

 では、野球を諦めなければならないのか。実際、この年齢に達すると引退する草野球人が多い。仕事が忙しい、家庭サービスしなければならないなどの理由で引退する人も多いが、力の衰えを感じてつまらない、若い人にかなわないといった理由で草野球から身を引く場合も多いのである。

 力を補うものが「技」である。投手なら「配球の妙」を覚えるし、打者ならば配球を読んだり、局面に応じた打ち方を覚える。あるいは「間」の使い方を覚える。草野球であれば、「技」があれば十分に「力」を補えるし、40歳になっても野球を楽しむことができる。

 だが、「技」は一朝一夕にはマスターできない。それまでの練習や試合で徐々に覚えていくものだ。それ故に、継続は力なのだ。

○第43回;ストライクがはいらない投手に ”まん中でいいよ” は逆効果!

第41章
「声」


 よく「もっと声を出せ!」と言われる。スポーツの中でも声が特に重要視されるのは野球と剣道であろう。サッカーやラグビーでは、味方に指示・連絡するための声は出すが、野球や剣道で出す声とは少々意味が異なる。

 野球や剣道は「間」が重要な意味を持つ。動作が「非連続」であるにもかかわらず、動作と動作の「間」が次の動作に影響し、自分の、そして相手の動作を左右する。打者が一つの動作を終了すると(バットを振る、一塁まで走る、出塁するなど)、ベンチからサインが出て、そのサインを敵味方が見て次の動作を予測し、バッテリーは配球を考える。野手は守備体形を考え、走者は相手のスキを狙う。これらが、「間」に行われる。  声はこの「間」に出す。自分を鼓舞するためだ。それが可能であればどんな言葉でもよい。しかし、相手に対するヤジはやめよう。自分を鼓舞することにならないし、相手を不愉快にするだけだ。強いチームにヤジを飛ばしても、相手から軽蔑されるだけだ。

 高校野球では、打者が打席に入るときに声を出す。草野球では余り見かけないが、真似すべきであろう。野手には声を出せと言われるが、投手には声を出せとは言われない。しかし、気合を入れなければならないのは投手も同じである。一球毎に気合を入れる声を出してみてはどうだろうか。

 全員が声を出すことによって、チーム全体が盛り上がる効果もある。逆転された途端、声が出なくなると、盛り上がりを欠き、再逆転する気力、執着心が低下してしまう。逆転された時、形勢不利なときこそ声を出し、チーム全体を盛り上げる必要がある。

 投手が乱れ、突然ストライクが入らなくなった時、「ガンバレ」とか「ド真ん中でもいいぞ」と声を掛けることがある。しかし、投手は悪いのは自分であり、真ん中に投げようと思っていても入らないことをよく知っている。こんな時、なぐさめや励ましの言葉をかけてもらっても余り役立たない。ストライクが入らないのは、心の余裕を失い、ストライクを投げなくてはいけないという強迫観念に捕らわれているためだ。そんな時は心にゆとりを持たせる気分転換の一言がよい。その一言で、再びゆとりが生まれ、「ボール球で打ち取ってやる」という執着心が生まれれば、ピンチを凌げるものだ。

 声は「間」をもたせるためではない。自分自身を鼓舞しパワーアップさせ、チーム全体の雰囲気を盛り上げ、かつ相手に恐怖心を与えるために出す、重要な戦術のひとつである。

○第42回のきょうは

第96章
「ストライクゾーン」


 ルールブックでは「肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平線を上限、膝頭の下部ラインを下限とする本塁上の空間」となっている。つまり、幅はホームプレートを掠めていること、高低は概ね脇の下付近と膝頭の下の間に入ることが条件となる。とはいっても、センサーで判定するわけではなく審判員の目で判定するわけであるから厳密には誤差が付きまとうのは仕方ない。

 ところで、打者は色々な構え方、打ち方をする。日本人は極端におかしな構えはしないが、大リーグなど見ていると、とても真似できそうもない構えをする打者がいる。ストライクゾーンの判定基準は「打者固有の打撃姿勢」となっているから、極端にかがんで構えた打者がそのままの姿勢でバットを振るならば、それが「打者固有の打撃姿勢」となり、ストライクゾーンは狭いことになる。だが、かかんで構えていても、体を起こしてバットスウィングするならばかがんで構えていても無意味である。同様に、投球が高めぎりぎりのコースの場合、しゃがんでも無意味である。では、バントの時はどうなのであろうか。バントをする場合、一般的には低く構え、そのままの姿勢でバットに当てる。したがって、低く構えた姿勢が「打者固有の打撃姿勢」であると解釈することができる。

 だが、この「打者固有の打撃姿勢」の解釈・運用は審判員によって微妙に異なる。打者が自然体でバットを構えた姿勢を「打者固有の打撃姿勢」とする人もいれば、バックスウィングを終え、まさに打ちにいく寸前の姿勢を「打者固有の打撃姿勢」とする人もいる。一般的には両者で大した違いはないのであるが、バントなどではストライクゾーンが明らかに異なる。

 では、打席の前(投手寄り)に立った場合と、後ろ(捕手寄り)に立った場合ではどう違うのだろうか。「本塁上の空間」と定められているのだから、打席の投手寄りに立とうが、捕手寄りに立とうが同じだと解釈できるが、これも審判員によって微妙に異なるようだ。高低は打者のスタンスの位置で判断し、左右の幅はホームプレートそのもので判断する人、高低・左右ともにスタンスの位置で判定する人、高低・左右ともにホームプレートの位置で判定する人などいる。

 このように、当たり前、誰でも知っているストライクゾーンといっても、その中身は微妙に異なることを認識してもらいたい。バントの構えでストライクゾーンが狭くなるのであれば、バント攻撃は相手投手にとって脅威になる。ホームプレートの位置で左右を判定する審判であれば、投手寄りに立つ打者に対してはボールからストライク、捕手寄りに立つ打者に対してはストライクからボールになる変化球を投げれば打者は打ちづらい。打者のミートポイントがストライクゾーンからはずれるためだ。つまり、審判員の判定基準を早めに把握し、それを巧みに利用することで攻め方は変わってくる。

 

 

 

○第41回の今日は、

第91章
「投手の立ち上がり」


 私は長らく投手をさせていただいております。制球力、球速、キレ等投手に要求される力量を上げるべく、あらゆる数々の努力を積み重ねてきましたが、どうしても克服できないことがあるのです。
 立ち上がりが悪いのです。自分でもなぜ立ち上がりが悪いのか考えて、出た答えが次のようなものです。
 マウンドになじむまで自分の投球ができないことに気づきました。これに気づいたのが、ある日の整備状況の大変悪い球場での試合の時です。自分の投球ステップと違う窪みをならそうとしましたが、どうしても窪みが埋まりません。仕方なく、足場の悪いまま投球をすることになりましたが、最悪でした。投球フォームがいつもと違うため制球が悪く、ストライクが欲しいあまりに球を置きに行くと痛打される。
 この日からマウンドと自分の相性が気になって仕方ありません。土の硬さ・マウンドの傾斜・マウンドの高さ・窪みの状態・相手投手のマウンドでのならし具合等、とても気になります。とにかくそのマウンドで30球から40球をぐらい投げないと思い通りの投球ができないのです。マウンドを自分の投げやすい場に作り変える前に、自分がマウンドの癖にあわせて投げるという状況です。また、攻守交代時も相手投手が掘った穴が自分のステップと違